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第四章 オーバーフローと始まり

Author: アイリア
last update publish date: 2026-06-27 17:00:02

「今日の魔物討伐はスライムと魔物蜂だ」

スライムはぷよぷよした体の魔物で、魔物蜂は、15㎝くらいのでかい蜂である。

「魔物蜂は、毒があるから注意な。」

今回、ヴィゴーレは後ろから見ているだけで、実際に倒すのは、私である。少し怖いが、強くなるためだ、と言ってナイフを渡された。

「えい、やー」

スライムにナイフを切りつけて倒そうとするが死なない。

「スライムの中に核があるだろ。そいつを狙え。」

核を狙ってナイフを一突き、見事に命中し、

倒すことができた。

「お見事。魔晶石が落ちるだろ?それが依頼達成のために必要なものだ。」

拾ってポーチに入れる。

「この調子でどんどん倒していこう。次は魔物蜂だ」

同じように核を狙って突くが、中々当たらない。

「よく見極めるんだ。急所を」

じっくり観察する。相手の行動、突かれたくない場所を。

「ふん!」

一撃で仕留めた。

「おお、お見事今のは短剣スキルのひとつ急所突きだな」

この世界には、魔法適性ともう一つ武器スキルというものがあるらしい。その武器を極めたものは、ドラゴンすらも一人で倒せるという。

「お前、弓を使いたいんだってな。持ってるのか?」

「はい、母さんからもらった弓があります。」

ポーチから一丁の弓をだした。

「うん?お前それって、、、」

「はい!母さんはこの弓の名前は、「神弓テルヌミス」と言っていました」

(あいつ、とんでもねぇもん渡しやがって)

「じゃあ、これからはその弓で練習するとしよう。」

さらに、一週間後。

テネレッツァは、かなり弓が扱えるようになっていた。

「だいぶ弓も使えるようになったな。やっぱり才能があるのかな?」

そう素直に褒めてくれるヴィゴーレにテネレッツァは、少し恥ずかしそうに、

「いえいえ、ヴィゴーレ様の教え方がうまいからですよ。」

二人で笑いながら、そんな話をしていた。

私は、こんな日々がずっと続きますように、

と心の中で願っていた。

そして1年後

テネレッツァは、Dランクまで上がっていた

そして、今日も今日とてヴィゴーレ様とモストロ・ボスコの奥で、魔物狩りをしていた。

「テネレッツァもすっかり一人前の冒険者だな。」

「いえいえ、これもすべてヴィゴーレ様のおかげですよ。」

ヴィゴーレは、テネレッツァは相変わらず自分のことを下げて物を言うなあ、と思っていた。

(この子に、そろそろ預けておいても問題ないだろう。あの武器も、、、、)

ヴィゴーレは、テネレッツァに真剣な表情でこう伝えた。

「テネレッツァ、今日の依頼が終わったら、話したいことがある。後、渡したいものもな。」

そう言うヴィゴーレにテネレッツァは笑顔で、

「じゃあ今日は早く依頼を終わらせないとですね!」

「なんか、盛大にフラグが、たった気がするが、まあ大丈夫だろ。」

ヴィゴーレが苦笑いしながら言う。

魔物狩りが終わって夕方ぐらいになったころ、急に地響きがした。

それも通常ではありえないほど大きい。

(まさか、、)

ヴィゴーレが

「テネレッツァ、帰るぞ。多分オーバーフローだ。」

と鬼気迫る表情で言った。

テネレッツァは、オーバーフローが何なのかわからなかったので、ヴィゴーレ様に聞いてみた

「ヴィゴーレ様、オーバーフローって何ですか?」

「ダンジョンやモストロ・ボスコなんかから魔物があふれ出す現象だ。小さい町なら余裕で壊滅する。」

その言葉に息をのんだ。

「じゃあ、もしかしなくてもここにいたらまずい?」

「まずいですめばいいけどな。」

急いで王都に戻る。王都といえど、オーバーフローが起きれば、ただでは済まない。急いでギルドに行き、オーバーフローが起きた可能性がある、と報告した。

「それは本当か?ヴィゴーレ。」

「ああ、サーチ(探査魔法)で見たらありえない量の魔物が来ていた。」

「すぐに戦闘態勢を。カレラ、王都の騎士団に報告しろ。【オーバーフローが起きた】とな。」

すぐに、行動が開始された。王都の門は閉ざされ、住民に避難命令が出された。この迅速な行動に、私はとても感心した。

(常日頃から訓練しているんだろうなぁ)

「ヴィゴーレ様、私たちはどうしましょう。」

「もちろん戦うさ。お前も来るか?ただし、覚悟はしておけよ?」

「もともと覚悟はできています。」

王都の城壁の上に立つ。すでに大量の魔物が押し寄せてきていた。

「不自然だ。」

ヴィゴーレが不意にそんな言葉を口にした。

「なにが不自然なのですか?」

そう聞き返すと、

「魔物の統率が取れすぎている。いつもならこんな統率の取れた行動はしないはずだ。」

「もしかして、魔物の王【モストロ・キング】がいるのか?」

衛兵が鬼気迫る顔で言う。

「だとしたらまずいぞ。あれはそう簡単に倒せる魔物じゃない。」

騎士団や冒険者の間でそんな言葉が飛び交う。

どうしよう、と不安になっていると

「大丈夫だ。心配するな。私がいる。」

そして魔物の進軍が開始した。

「まずは、弓部隊後方から射て、数を減らせ。」

そう言おうとした瞬間、

「インフェルノ!」

目の前が一瞬にして燃やされた。

「やれやれ、四神様のお出ましか。」

空中に一人の女性が立っている。

身長が低く、身長よりも高い杖を手にしている。

「あれは?」

「この国最強の四人と言われている【四神】の一人、炎神ベロニカ様だ」

「では、あの魔法は?」

「ベロニカ様の炎魔法の最上位超級魔法の上の神級魔法【インフェルノ】だ」

聞いた話によれば、齢15歳で、四神となったという。

「俺たちも、負けられんぞ。冒険者と騎士団で編成を組み、出撃だー!」

「「「「おーーーー!」」」」

私も負けていられない。

「支援魔法陣展開」

眩い光とともに、味方全体に魔法陣が展開される。

「マジックブースト、スペルブースト、スピードブースト。三重展開」

「は?」

不意に、後ろからそんな声が聞こえた。声のする方を向いてみるとさっきまで空中にいたはずのベロニカ様がいた。

(い、いつの間に。)

「あんた今、三重展開って言った?」

(あ、まずいあれだけヴィゴーレ様に力を露見しないようにとわれていたのに。)

「おい、正直に答えなさい。」

「はい、確かに三重展開とは言いましたが、、、」

「あんたどこでその魔法を覚えた?」

「ベロニカ様、今はそれどころではありません。また、後ほどお願いします。」

不服そうにしながらも、納得してくれたらしく、

「仕方がない。後で聞くとしよう。」

とだけ言い残してまた飛んで行ってしまった。

(いけない、いけない。自分の仕事をしなくては。ヴィゴーレ様に怒られちゃう。)

一方、ヴィゴーレ達はと言うと、

「ハハハ、さあお前たち暴れるぞー!。」

めちゃくちゃ楽しんでいた。

(こわっ)

と思っている間に、魔物はどんどん殲滅されていった。

「おいおい、体がすごく軽いぞ。」

「魔法がいつもの威力じゃねぇ。」

「うおおおー、パワーがみなぎってくるぜー。」

テネレッツァの支援魔法は効果抜群だったらしく、冒険者が一人でもB級の魔物を倒せるほどだった。

魔物の軍勢が、落ち着いてきたころ。

ドガーーーーーン!

大きな爆発音とともに、王都の一部が吹っ飛んだ。

「何事だ!」

「伝令!王都の中にいきなり魔物が出現。住民はすでに避難完了していたため、負傷者等はいませんが、王都の居住区の一部が破壊されました。」

報告を聞いたヴィゴーレは

(なぜ、魔物が王都の中に、、、いや今はそれどころではない。この前と後ろからの魔物の軍勢をどうするのかを考えなくては。)

ヴィゴーレは脳内で思考を巡らせ次の一手を考える。

「冒険者と騎士団をそれぞれ半分ずつに分けろ。一方は王都にもう一方はこの場に残り、魔物の殲滅だ。いいな?」

「「「「「「了解!」」」」」」

(私はどうするかな)

と思っている私にヴィゴーレが

「テネレッツァ、お前、弓を使えるようになったろ。今こそ、その力を見せてやりな。」

私はその期待に応えるべく笑顔で

「はい!」と返事をした。

王都の外にいる魔物に向かって弓を構える。

集中し、弓を引く。

「セイプリッツ・アロー!」

無数の矢が、魔物に向かって飛んでいく。

「いやあ、神弓の力はすごいねぇ。」

「なんであの子供が、あんな武器、持ってんの?」

「親から、貰ったとよ。」

「あいつの親は何者?」

「ただの人間だよ。」

ベロニカとヴィゴーレがそんな会話をしている間に魔物は殲滅されていた。

「さて、次は王都内の魔物だが、、、嫌な予感がする。」

ベロニカも同調するように言う。

「奇遇だねぇ。私もだよ。」

王都内にて

「いったん、引いて陣形を立て直せ!」

「なぜだ、なぜここにモストロ・キングがここにいる。お前は、12年前にエリカ様によって封印されたはず。」

不気味な声が、周囲に響き渡る。

「くくく、簡単な話だ。我々は馬鹿な冒険者のおかげで、封印が解けたのだよ。」

「そんな、馬鹿な」

「我が名はモストロ・キング、バダゴーラ!さあ、蹂躙するとしよう。12年前は不覚にもあの女に封印されたが、今度はそうはいかんぞ!」

バダゴーラが手を振り上げると大量の魔物が現れた。中には上位種やアンデットまでいる。

「おいおい。急いで王国直属近衛騎士団に連絡し、聖騎士を呼べ。あと、四神様にも来てもらうようにお願いしろ。」

ヴィゴーレ達よ、早く来てくれ。

全員で固まりながら魔物を倒していると、ヴィゴーレ達が到着した

「おーい、大丈夫か?」

ヴィゴーレ達が到着すると、目の前には、倒れている冒険者と騎士団がいた。

「おい、何があった。」

「モストロ・キングが復活していた。そいつが召喚した魔物たちが暴れまわっている。」

バダゴーラがこちらに気づいたらしく、不敵な笑みを浮かべながらこちらを見ている。

「おや、まだ生き残りがいたか。まあよい。すぐに楽にしてやる。デスサイズ!」

ヴィゴーレ達に向かって、鎌が飛んでいく。

「ふぐ、なんて奴だ。」

バダゴーラの鎌によってまた一人倒れた。

「ぶっ殺してやる!インフェルノトリガー!」

しかし、全くの無傷であった。

「はは、これも効かないとは。」

(万事休す、かな)

そんなときであった。

「雷よ。」

「風よ。」

「大地よ。」

その言葉と共に、モストロ・キングの周りにいた魔物が一瞬にして消滅した。

「な、何事だ!」

バダゴーラが慌てた様子で言う

「やれやれ、遅いんだよ。」

そして魔物がいたはずの場所には、四人の女性が立っていた。

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